110号【街を動かす】
磯子区・杉田商店街
秋田からの修学旅行生徒の販売体験実習を受け入れ
5月22日の午後、杉田商店街の各店頭で秋田から修学旅行でやって来た中学生39人が販売体験を行い、この日の商店街はいつにも増して活気があふれた。しかし、なぜ秋田から? そして、なぜ杉田商店街なのか?
◆きっかけはホームページ
杉田商店街(黒川順吉会長)では、この3月にホームページを立ち上げたばかり。しかし早速反応があった。それも遠く秋田から。
秋田市の桜中学校では、3年生の修学旅行のメニューに商店街での販売体験を取り入れた。「秋田市の中心部は空洞化が進んで商店街らしい商店街がなくなってしまったので、束京・横浜方面の修学旅行の際にぜひその体験を」(同校・佐藤正人先生)という依頼で旅行会社の担当者がホームページを検索した結果、地域に密着した、いわゆる「商店街らしい商店街」として杉田商店街に白羽の矢が立った、というわけだ。
商店会としては、「横浜まで来て何も商売体験しなくても」と固辞したが、ぜひにということで実現。 まず、受け入れ店を募ってリストをつくり、生徒に希望店を選んでもらった。計18店で、1店2〜3人ずつ。店には事前に生徒から自己紹介の手紙が送られてきた。
そして当日。商店街に倒着した生徒を店主たちが自店へ案内。生徒たちは持参したエプロンと期待を胸に約3時間、店頭で物を売ったり製造したりと、商売の大変さ、楽しさを体験した。
◆生き生き商売体験
店から借りた仕事着をキリリと着て、「いらっしゃい、お客さんいかがですか!」と威勢が良かったのが魚屋を選んた男子生徒2人。お茶屋では、「もってけ戸板市!」の目玉企画と言える詰め放題をこの日特別実地。生徒2人が店頭で、「詰め放題で1000円、安いですよ!」と商店街を行くお客さんに呼びかけた。和菓子店では、慣れない包装に男子生徒が四苦八苦。
レジで応対したり、商品の袋詰めをしたり、値付けをしたり…。最初は遠慮がちでぎこちなかった生徒たちも、終わり頃にはすっかりなじんで生き生き。 和菓子店を経営する相原一郎さんは、各店で働く中学生たちの姿をビデオで撮影。後日、横浜での思い出にと中華街の映像なども入れて編集して送ったところ、「みんなで何回も見て楽しんだ」という電話をもらった。「自分の孫みたいな子どもたちが一生懸命だったし、横浜に対してもっともっといい印象を持ってほしかったから」。
そして、「生徒以上に緊張した」という受け入れ店主それぞれには、生徒たちから、「楽しかった」「商売の大変さがわかった」といったお礼の手紙が届いている。
黒川会長は、「生徒を受け入れたことでそれぞれが商売を振り返るきっかけにもなったし、ホームページの効果についても会員に理解を深めてもらうことができた。何より商店街のアピール、イメージアップにつながった」といくつもの効果を喜んでいる。