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相鉄線上星川駅前の商店街に横浜市内で数少ない手づくりハム工房がある。
1坪ほどの売り場にショーケースがひとつ。ハム、ソーセージ、コンビーフなど 20種類ほどがこじんまりと並べられている。そのひとつひとつがいかにもおいしそうで、技ありを感じさせる、知る人ぞ知る店といった趣だ。
店の奥では経営者の鈴木勝彦さん(57歳)が、たった一人でハムづくりに汗を流している。
◆繁盛店のあまりの忙しさに疑問、自分のカラーを出せる仕事をと
しかし元々は、昭和31年創業の牛肉が売れる店として業界では知られた精肉店だった。「ものすごく繁盛していた店だった。けれどあまり忙しくて、この忙しいままずっとやっていくのかなと疑問を感じた」のが、二代目に当たる鈴木さん。
「肉というのは素材。自分のカラーを出すのには自分でつくったものを売りたい」と、素材を生かし今まで蓄積した肉に対する目利きを生かせるものとして、ハム・ソーセージなどの加工品へシフトしていくことを考え、30代後半頃から、時間の合間を縫って研究をはじめていった。
◆業務用として販路開拓、ついに加工品一本に
自分の舌をたよりに試行錯誤を繰り返す日々だったが、中華や洋食のコックさんたちとの好運な出会いもあった。中華のコックさんにはつくった腸詰めを何度も何度も試してもらい、洋食のコックさんにはオードブル用のハムを。「使ってもらうまでには2〜3年かかった」が、次第に業務用として注文が入るようになった。また、鈴木さんのハムを口にした大手ホテルのコックさんからの注文も入り、他の店も紹介してくれるという形で拡がっていった。
そして昭和62年暮、精肉のほうも年末のかき入れ時であるにもかかわらず、加工品のほうがあまりにも忙しくなってしまったためなんと店のシャッターを降ろしてしまった。そしてそのまま加工品専門に。
この時は親から相当な反発があったという。しかし「俺の人生だ、やりたい仕事をしたい」と押し切った。
◆ライフワークとしてのハムづくり
一昨年に店舗改装して小売りも始めたが、12年間、ホテルやレストランのオードブル等を主とする業務用専門でやってきた。
「毎年春秋には何か新しいものはないかと言われて、つくっているうちに80 種類になってしまった」というほどレパートリーは多く、常時38種類ほどつくる。ハム・ソーセージと言えば、ドイツ式の味が多いが、「僕は、どこに修行に行ったわけでもないし、ドイツに行ったこともない。強いて言えば[オレ式]かな」という独自のスタイル。
現在は業務用9に対して小売りは1。人は使わず、鈴木さん一人でつくり、奥様は、スパイスの調合やパック詰め、パンフレットつくりなどを担当。
「一人でつくっていくには限界がある」という鈴木さん。現在、現場の生の声を聞けるからとホテルなどには自分で届けているが、ゆくゆくは宅配便を使ったり、業務用を縮小して店売りにウエイトを移していくなど、年齢に合わせて自分のペースで動けるよう徐々にスタイルを変えていこうと考えている。それというのも、「僕にとってハムづくりはライフワーク」だと言い切るほどに好きな仕事だからだ。
11月中旬にはホームページも開設。
ライフワークを見つけ、仕事の合間には趣味のトランペットやパーカッション演奏でジャズを楽しむ鈴木さん、とてもうらやましい人生に思えた。
cnム工房すずきのホームページ http://86suzuki.jp
oZ所 保土ヶ谷区上星川3-2-22 TEL371-0359
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