113号【街を動かす】

 神奈川区・西神奈川三丁目商興会
 空き店舗をコミュニティースペースに

ギャラリー「出買坂」
看板の文字は書家の揮毫

 神奈川区の西神奈川三丁目商興会では、県及び市の「商店街空き店舗活用事業」(注1)を使って、商店街にある空き店舗をコミュニティースペースとして改装、昨年11月28日にオープンさせた。スペースの愛称は「出買坂」(注2)。
 地域の方たちの有意義な空間になればと商店会では期待している。

注1)横浜市商店街空き店舗活用事業
 平成8年度にスタート。対象は、共同運営店舗、実験店舗、リサイクルショップ等。店舗改装費(30%以内、限度300万円)及び最大2年間賃借料(30%以内)等を補助する。(県も同様の補助)
 9年度=磯子区・杉田商店街(贈答品等の展示「ギフトショップ」)
 10年度=瀬谷区・三ツ境南口商店街(駄菓子店「昭和堂」)
 12年度=瀬谷区・三ツ境南口商店街(福祉サービスの拠点・商店街生活サポート センター「三ツ境せっせ」)、保土ヶ谷区・西谷商栄会(市民活動の拠点「井戸ばた倶楽部@nishiya」)

注2)「出買坂」の由来 
 大正の終わりから昭和の初めにかけて、羽沢、片倉、神大寺付近の農家の方が野菜などを市場に出荷するのにこの道を利用したため、近在の八百屋さんが数店、この坂に出張って買ったところから名付けられた。古老の方は現在でもこのあたりを出買坂と呼んでいる。

 一昨年8月、商店街の中ほどで億単位の商売を続けていた魚屋が、経営者の高齢化、従業員の病気などの理由で廃業した。
 六角橋バス停の真ん前という好立地のため、借り手は次々出てきたが、貸す気はサラサラない。しかし、本人も商店会の副会長を長年つとめてきて商店会事務所の必要性は痛感していた。そこで、「商店会のためになるなら、 年間この商店街で商売を続けさせてもらったお礼に貸そう」ということに。それも相場の半額近くの破格の家賃で。
 県と市の空き店舗事業の補助も受けられることになり、絵画や手工芸などのアート作品を展示するギャラリーとして、カルチャースクール会場として、商店街の特別イベント開催場として、休憩所としてなど、商店街を訪れる方の憩いの場として利用してもらう、念願のコミュニティースペースが誕生することとなった。
 愛称を公募したところ60件近くの名称が寄せられたが、地域に由来し歴史的な意味もある「出買坂」と決定。
 12月末までに、ギャラリーとして、七宝焼、創作額縁、手作りクッキー、陶芸などの展示販売が行われた。1月以降も、押し花、皮革工芸、刺繍など、予約で埋まりつつある。
 約15坪のスペース使用料は1日5500円(商店会員は5000円)。
 12月に10日間、陶芸作品を展示販売した神奈川区にお住まいの金子圓さんは、「場所がすごくいいのに使用料が安いので、すぐに申し込みました。利用しやすく売れ行きも好調でした」と大満足。

白をベースにしたギャラリーはついたてや
棚など移動可能で使い勝手もいいと好評

 利用後のアンケートでも、使用料は「安い」、目標売り上げは「達成した」、という答えが大半で、利用者にはかなり好評を得ている。
 しかし、三原田二男会長は、「ギャラリーとして利用希望が多いのは嬉しいが、商店会としての利用やお客様の休憩所として使える期間が少なくなる」と、まず地域のお客様への還元を第一にしたいとの意向だ。 
 だが、家賃や光熱費などで月11万〜12万円は最低かかる。2年間は県・市から家賃の補助を受けられるが、それ以後は事業としての採算を求められることにもなる。
 出買坂を運営するに当たって運営委員会を設置し、若手4人を委員としているが、今後は運営方法などかなりシビアに練り上げていかなければと、気を引き締めている。

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