113号【特集】

報告  商店経営パートナー講習会
 掛川おかみさん会の活動など視察
 和気あいあい、学び、楽しんだ1泊旅行

掛川市内の商店街を見学

 市商連では、今年度の「商店経営パートナー講習会」を11月14日・15日の2日間実施した。参加者は市内各商店会の商店主婦ら40名(市商連事務局、横浜市、神奈川県商連事務局からの5名を含む)。
 コースは、沼津魚センター、御殿場プレミアムアウトレット、掛川市中心部など。宿泊先は、浜名湖そばの館山寺温泉。2日間とも好天に恵まれ、まちづくりやおかみさん会活動の視察、観光、そして親睦と充実した2日間となった。
 本号では、メインの視察先である静岡県掛川市中心部のおかみさん会の活動と参加者の感想を紹介する。

 掛川おかみさんの会 「おかみさんの日」などまちの魅力付けに尽力

毎月「おかみさんの日」を実施
 視察当日は、4名の役員さんが対応してくれたが、皆さん40〜50代と若かった。毎月2回の定例会(「おかみさんの日」の打ち合わせや随時勉強会など)のほか、毎月第2土曜の「おかみさんの日」の主催、毎月第4土曜の「三の丸楽市」への出展(年3〜4回)など商工会議所や市の行事へも積極的に参加している。
 「おかみさんの日」は、個店の売り出しから、幅広い年代層向けのまちぐるみのイベントに広がっている。
 2001年は、市民有志と「好きです!かけがわのまち実行委員会」を立ち上げ、年末年始は、掛川駅から掛川城までの通りをイルミネーションで演出する企画にも参画した。
 「街の発展が商店も潤す」という視点で、活動を続けている。

市や会議所の支援
 「生き甲斐を持つため、一生涯学び続けていこう」という掛川市の「生涯学習都市宣言」に沿って94年度に開催された市支援の「街並みデザインを考える」事業が会設立のきっかけ。
 商店街の女性を対象としてコンサルタントを交え数回の勉強会を開催する企画で、呼びかけには 名が応じたが、参加するのは3人ぐらいと少なかった。しかし、「せっかく集まったのだから、何かにつなげたい」ということで、市や商工会議所の協力を得て、96年2月に浅草おかみさん会の富永照子会長を招いて講演会を開催、「やる気のあるメンバーを集めなさい」という助言で3月にもう1度開催し、4月には「掛川おかみさん会」の発足にこぎつけた。

掛川おかみさん会の概要
 発足 96年4月1日
 会員 中心部(複数の商店街)の有志20名
 会費 1店毎月2000円
 定例会
 ・毎月2回(午後8時半〜)。会場は街なか再生サロン(市の施設)

掛川おかみさん会の主催事業
(1)「おかみさんの日」
・おかみさんの日
 96年9月開始。毎月第2土曜。サンタモニカの旗を店頭に掲げ、各店が独自のサービスをする(全体としてのインパクトは弱かった)ので「おかみさん市」などを追加
・おかみさん市
 96年11月開始。歩道で、近郊の農家や一般の方々に呼びかけ手作り食品の販売をする(中高年の主婦に人気)
・よ!にっぽん市
 96年11月開始。おかみさん会が全国各地の知り合い等から仕入れた全国のおいしいものを販売(中高年の主婦に人気)
・街中美術館(土曜から月曜までの3日間)
 96年12月開始。市内の保育園・幼稚園・小中学校の児童生徒の絵約100枚を歩道や店頭に飾る。額とイーゼルは市民から1口1万円で募集(子供連れの若い家族の来街を促し、街中を再認識してもらうことを目的とした。99 年から地元美術館の協力で「掛川城とその周辺を描く会写生大会」の作品を展示。2000年11月からは「街中美術館街道絵師さがし」開始。2001年からJR掛川駅の協力で駅南口コンコースにも展示会場を拡大)
・若い衆フリーマーケット
 98年5月開始。輸入雑貨を扱う若手商人と共に始めた(現在休止中)
(2)文化のお教養講座
 97年7月開始。不定期開催のカルチャースクール。着物、写真、絵手紙、江戸更紗染体験、帯結び体験などを実施(文化やゆとりに興味のある層を対象)
(3)各種勉強会
 会員を対象に、市内各界のリーダーを招いての懇談会、接客、店舗と街路、広場の照明など

参加事業
・おかみさん富くじ
 97年9月開催。市主催の掛川城三の丸楽市(毎月第4土曜日に開かれるイベント。「おかみさんの日」以外にもにぎわう日を、と市が始めたイベント)に年3〜4回開催
・掛川納涼まつり
 毎年8月中旬の2日間。「おかみさんカフェテリア」の出店
・掛川商工まつり
 毎年秋。赤ちゃんオリンピック、チョークアートなど毎年違ったイベントを担当
・まちづくりコンサート
 毎年秋。企画参加・チケット販売
・商工会議所各種セミナー
・ミレニアムカウントダウン
・玄二〇〇一年かけがわ(21世紀からのカウントアップ)ほか

掛川市も商店街と掛川城を結ぶ城下町風の一画に「こだわりっぱ」という観光物産センターを設置

掛川市中心部の概要
再生に向け、官民一体でTMO計画を推進中
 掛川市は、静岡県の浜松市と静岡市のほぼ中間にある人口8万人の中都市。東海道の宿場町、そして城下町、明治以降は小笠郡というこの地方一帯の行政の中心地として発展してきた。近年は新幹線掛川新駅、東名高速道路掛川ICの開設など交通の要衝としても整備。緑茶生産量日本一の茶処でもある。
 また79年には「生涯学習都市」を宣言、20歳の成人式だけでなく、30〜90歳まで 10年を節目とした「年輪の集い」や女性会議などを開催している。
 中心市街地は、JR掛川駅北口から掛川城(市民募金で復元)に至る約70ヘクタール。80年あたりまでは広域商圏を持つ商業地として栄えた。
 近年は区画整理で道路の拡幅、地域内建物の移動・新築、壁面の位置・建物の高さ・形態・ファサード・広告物・サインなどを城下町風にした街づくりを実施した。
 しかし、モータリゼーションの進展や郊外への大型店進出、そして中心部からの大型店や行政施設の撤退などで、急激な衰退は避けられなかった。
 このため、市でも中心市街地再生の拠点として「街なか再生室」を中心部の一角に設置、98年度には中心市街地活性化基本計画を策定、99年度にはTMO構想を策定、掛川商工会議所に企画調整型の掛川市TMOを設置し、2000年度にはTMO事業計画を策定した。
 この事業計画推進のため、財政基盤などで限界のある商工会議所に代わる組織として、かけがわ街づくり(株)(仮称)を2002年度に設立する予定。

 参加者の声

「今年も行きますよ」
 参加者は常連も多く、和気あいあい。今年81歳を迎える鶴見区・市場銀座商店街の佐野とき子さんなどは、亡くなったご主人が市商連の役員としてこの企画の立案に関わったこともあり、開始以来約30年間、殆ど毎回参加。
 「和気あいあいでとても楽しい旅行。たくさんの友だちができました。今年は81になりますが、また行きますよ」と早くも楽しみにしている。

「出るのは大変ですが」
 楽しみにしている人が多いが、港南区・芹が谷銀座商店会の小河原千恵子さんのように、「うちの会から多い時は15人ぐらい参加しましたが、どの店も人手のやりくりが大変になり、出るのが難しくなりました」という会も少なくない。
 それでも同商店会では、食事会やハイキングなど、都合のつく人で行く機会を年に何度か設け、商店主婦の親睦と気分転換を図っている。
 港南区・野庭ショッピングセンターの平本ふさ子さんも、「私たちの商店街も昔は、奥さんたちで食事会などもよくしましたが、多くの店が入れ替わり、いつのまにかなくなってしまいました」と語る。
 ちなみに、今回、最も多く参加したのは中区・野毛商店街協組の12名。

「きれいだが人通りは少ない」
 掛川のまちについての印象は、「道路は広く、きれいに整備されていた。ただ、人通りは少ない。食料品などの店が殆どない。聞いてみると車で大型のショッピングセンターへ、という人が多いようだ。ただ、おかみさんたちのまとまりはあり、事業も活発なようだ。それに皆さん、若い」という感想が共通していた。
 神奈川区・大口商店街協組の小島三代子さんは、「1人や2人では盛り上がらない。その点、掛川では熱心な方が何人もいるようで感心しました。大口通は、若いお嫁さんが少なく、婦人部は60代以上が大半」と羨ましがる。

「これまででは一番の活動」
 磯子区・洋光台ショップ27店会の望月安子さんは「これまで何度か参加しましたが、視察先としては今回の掛川が一番よかったのでは。全国各地の物産をインターネットなどで仕入れて販売し、利益をあげていると言われましたがすごいと思いました。駐車場も中心部の商店会で運営しているということでしたね。たしかに商店街の人通りはあまりありませんでしたが、だからこそ、おかみさんたちが頑張っているのかもしれませんね。
 視察では、店のことでも参考になるものがありますよ」。

参加しやすい機会を
 多忙な商店の女性たちにとって、このような機会は、いい気分転換となり、親しい知り合いを増やすことにもつながる。1泊でなくても、夜間の食事会や半日程度の小旅行などでもいい。
 単会や区商連などでも女性たちが参加しやすい機会を多く企画することで、店も商店街もリフレッシュされるのではないか。

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