116号【先進商店街視察】


 行って来ました!元気な商店街
 
静岡県御殿場市・協同組合森の腰商栄会&株式会社アクティブモコ
 若い力が結束、思い切ったまちづくり
 市商連では、恒例の先進商店街視察を6月18日に実施した。今回の視察先は、静岡県御殿場市の協同組合森の腰商栄会。参加者は27名。
 御殿場駅から徒歩4、5分、旧246号沿いの約300メートルを中心とした80店ほどの商店街。両側には古いアーケード(歯抜けあり)、アスファルトの歩道、最寄り品や飲食・サービス、買い回り品など業種構成は比較的揃っているが、商店街全体の印象としては、「すばらしい」というほどでもない。だが歴史や組織、事業の説明を受けた参加者の多くは感銘を受けたという。

 アクティブモコの大庭社長の説明に耳を傾ける参加者

◆青年部がスタンプ運営会社設立
 説明をしてくれたのは、株式会社アクティブモコ(以下、モコと略)の大庭健一郎社長。株式会社といっても、実態は協同組合森の腰商栄会(以下、商栄会と略)のソフト事業担当部門。
 モコの設立は、91年(平成3年)。90年に当時の青年部が「自分たちで全責任を持つから」とスタンプ事業を開始、扱い額が大きいことなどで責任体制を明確にするため、翌年OBを含41人が出資して会社にしたものだ。
 多くの店が徹底してスタンプを出したことで、約80店で年間6000万円を発行、全国有数の実績をあげている。
 スタンプ以外にも、携帯電話メールを使った消費者への情報発信の実験、農協青年部と協力して、休耕田2ヘクタールを借り一部を市民農園とするほか、自分たちで有機野菜づくりに取り組む事業もこの春から実施している。
 事務所は元ビリヤード&スナックだったところ。事務スペースのほか、カウンターや大きめのテーブル、簡単な厨房施設、冷蔵庫などがあって、夜10時過ぎの会合では缶ビールなども自由に飲める。ここで、雑談兼企画会議兼取締役会などが連日のように開かれる。

◆700坪の土地を購入
 商栄会には、モコのほかに、「御殿場まちづくり会社」というもう一つの会社がある。こちらは、共同店舗「エピ」の運営のほか街並み整備などハード事業を担当する。
 まちづくり会社は、商栄会組合員のうち8割、64人が1口100万円以上を出資して93年に設立。商店街内の空き地約700坪を購入、後に市と中小企業事業団(現中小企業総合事業団)が各2億円を出資、地元の1億円と合わせ5億円の出資を得て、高度化資金などを借り、2階建て(2階はホールや会議室など)の食品中心の小型SC「エピ」を建設した。テナントは6店で全て商栄会の組合員。
 競合は激化しているものの採算ベースには乗っており、まずは順調と言える。モコの一員としてスタンプ(現在はポイントカード)も発行している。
 今年度は、中心市街地の指定を受け、商店街全体の整備に取り組むことになっている。

98年開業以来順調に売り上げを
伸ばしている共同店舗「エピ」

 商栄会では、46年も前に消費人口を増やすために980坪の土地を購入して市営住宅を誘致するという思い切ったまちづくりを実施、若い力を育てる、といった伝統が今に続いている。

◆参加者の感想
 泉区商店街連合会の金刺昇一会長は、「立地的にはさほど恵まれていると思えない商店街で、ポイントカードや共同店舗などを運営、軌道に乗せている。若い人が動ける土壌があるようだ」。
 都筑区商店街連合会の吉野栄輔会長は、「若手が商店会事業の多くを任せられ、意志決定が早く、実行力があることや行政の支援をうまく活用していることなどが印象的だった」。
 市商業・サービス業課の澤野弘子担当係長は、「やる気と計画性を持って挑めば、何事も怖くないという元気をいただいた。『若者に商店街の明日をかける』組織づくりが急務と感じた。後継者の問題や大型店との競合など活発な質疑応答があり、大変有意義な視察だった」。

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