117号【特集】

 特集

 商店街が環境に取り組む意味

 健康・快適な環境づくり、そしてイメージアップにも

 モノが豊富になり、暮らしが便利になる一方で、水や空気の汚染、地球温暖化などで生物の生存環境が年々悪化している。「豊かな生活」を保証する各種資源の枯渇も心配されている。このため、産業界でも「環境対策」が大きな課題となっている。流通業界でも同様だ。百貨店、スーパー、コンビニなどでは戦略的事業として取り組む企業が増えている。
 商店会にとっても安全で快適な地域環境を維持・実現させるためにも、消費者の信頼を高めるためにも環境は避けて通れない問題だ。そこで7月に「エコ姉妹商店街」として提携関係を結んだ3商店会を中心に商店街における環境への取り組みの現状と課題を考えてみた。

写真左・綱島商店街連合会では、昨年から「エコタウンつなしまフェスタ」と銘打って環境関連のイベントを実施している。今年は、地域ぐるみの清掃やエコクイズラリーなどを実施した(写真は、展示されたエコカー)
写真右・たまプラーザ商店街連合会では「じぶんのまちはじぶんできれいにしたいよね。そうおもう?」(小さな子供にも一目でわかるようにと考えられたキャッチコピー)と書かれた揃いのジャンパーを着て、毎月の清掃を実施

 エコ姉妹商店街

 ごみ減量・資源化などへ意識改革と実践の決意声明


■きっかけは市の働きかけ
 中区の協組伊勢佐木町商店街、港北区の綱島商店街連合会、青葉区のたまプラーザ商店街連合会は、「エコ姉妹商店街」として提携、7月13日に綱島商店街で「ごみ減量や再資源化に取り組む意識改革と実践行動を広く市民にアピールする」という趣旨の共同声明を発表した。
 仕掛けたのは横浜市環境事業局だった。再資源化できる段ボールなどを家庭ごみとして捨てる商店などが多い現状の打開が目的だった。昨年、W伊勢佐木町商店街と綱島商店街連合会に市から、積極的な取り組みを働きかけ、その後、青葉区の収集事務所から話を持ちかけられた、たまプラーザ商店街連合会も加わって、7月の共同声明にこぎつけた。
 エコ姉妹商店街の活動としては、普及や販促につなげる活動などの情報交換を軸にしていくという。

■資源ごみ回収や清掃など
 商店・商店会の環境対策事業としては、(1)資源の回収(2)容器包装ごみの発生抑制(3)環境に負荷の少ない商品やサービスの販売(4)無駄を減らす販売方法(バラ売りや小口売り)(5)街並みなど地域の環境美化(6)商店や市民への情報提供、などが行われている。

エコ姉妹商店街の取り組み一覧

商店会名
  協組伊勢佐木町商店街 綱島商店街連合会 たまプラーザ商店街連合会
取組開始時期   2001年2月9日 9商店会410店舗 3商店会180店舗
参加店舗数   120店舗(ステッカー掲示) 2000年12月20日 2001年11月6日
 取組内容 宣言・提案事項 「伊勢佐木町商店街エコプロジェクト」の提案
(1)ごみの出ないものの販売と、ごみを出さない買い物「マイバッグ推進運動」を提案(2)リサイクル商品の販売を積極的に推進し、環境意識の高揚を図る(3)資源物の完全リサイクル事業を推進(4)来街のお客様に呼びかけ、資源物の回収を積極的に推進
「エコタウンつなしま宣言」
(1)買い物には「エコバッグ」の持参を(2)「NO包装」「バラ売り」に努力す(3)資源物のリサイクル再利用に努める(4)ごみの不法投棄をなくす(5)放置自転車・路上違反広告物の追放に努める(6)ガイアデイ活動を進め花や緑いっぱいの美しい街にする
(1)資源物のリサイクル再利用に努める(2)ごみの不法投棄をなくす(3)タバコのポイ捨てをなくすため、街路に吸い殻入れの設置を検討中(4)エコバッグ運動が展開できるように検討する
  資源回収 「エコステーション」の運営
(1)回収拠点─3カ所(2)実施日─毎月第2・4金曜日午前10時〜12時(3)回収品目─新聞、雑誌、段ボール、その他(4)対象者─市民・事業者(参加店舗に限定せず)(5)回収実績─1回につき約1トン
ペットボトル自動回収処理機の設置
段ボールの共同回収(00.12.20から開始)
(1)回収拠点─9商店会11カ所(2)実施日─毎週火曜日午前9時〜11時(3)対象者(排出者)─事業者(参加店舗のみ)(4)回収実績─11,730キロ(01年度上半期実績)
古紙の共同回収
(1)回収拠点─3商店会14カ所(2)実施日─毎週火曜日午前10時〜11時(3)回収品目─新聞、雑誌、段ボール(4)対象者(排出者)─事業者(参加店舗のみ)(5)回収実績─21,120キロ(01.11.6〜02.5末)、回収日数29日間、1回当たりの回収量730キロ
  容器包装、ごみの発生抑制策 「エコチケット」の発行
(1)商店街でマイバッグや箸持参等エコ活動に協力したお客に「エコチケット」を発行し、20枚集めると100円として使え、100枚集めると豪華商品と交換する(2)実績(01.2.9〜02.5.31)─発行枚数29,500枚、使用(還元)された枚数4,236枚(21,180円)
エコバッグの作成による「買い物袋持参運動」(スタンプ制の導入)
「エコバッグ」6,000個(うち5,000個は区商連作成)を作成し、エコバッグでの買い物に対してスタンプ1個捺印、20個で現金100円と引き換え
綱島商店街等のエコバッグ持参運動を参考に、現在検討中
  美化運動・イベント 第1回「あなたとともにエコロジーイセザキ」(02.7.20)
フリーマーケット、無農薬野菜の直売、空き缶リサイクル車による実演、パネル展示、リサイクル品の製作実演、エコカーの展示など
駅周辺のクリーン大作戦
商店街青年部による商店街及び周辺河川敷等の清掃活動を実施
第2回「エコタウンつなしまフェスタ(02.7.13)
鶴見川河川敷クリーン大作戦、ガイアコンサート、カレースタンプラリー、空き缶リサイクル車による実演、エコ商品の展示、映画の無料上映会、エコ紙芝居など
クリーンたまプラ作戦
(02.5.7〜)毎月第1月曜日午前、たまプラーザ駅周辺の清掃を実施
「夏祭り」にエコブース設置(02.7.27・28)
古紙回収により再生された製品及び啓発パネルの展示、空き缶リサイクル車による実演、PR用ペーパークラフトの配布・小学生を対象とした製作会など


 エコ姉妹商店街関係を結んだ市内3商店会の場合、段ボールなど資源の回収を実施することで、事業系ごみが減り、再生できる資源の回収が増えるというメリットが発揮できている点は共通している。
 分別回収が徹底しているのは伊勢佐木町。商店だけでなく周辺住民も対象としている。古紙だけでなく、びんやトレイなど多くの資源回収を毎月2回実施。組合としては、集めた資源の販売収入もない代わりに運送経費も不要という条件で実施している。
 個店で業者に頼めば経費もかかるが組合一括、しかも一定量が集まるので無料となっている。この点は他の2商店街も同じ(綱島は回収場所1か所につき月1000円を各単会が負担)。

■まちの美化にも成果
 また伊勢佐木町では、事業系ごみについては、回収業者1社に委託し、ごみ袋を組合員に販売している。収集日時は月水金の深夜。
 この点は、綱島もほぼ同じ。
 綱島は昨年、それまでの週3回の回収を毎日に改めたことで違法排出が大幅に減ったという。
 それまでは生ごみや段ボールなど有料の事業系ごみを、無料の家庭ごみとして排出する業者が少なくなかったが、一般ごみの個別回収が始まり、一方で段ボールの個店負担無料回収が始まったことで、まちの美化や段ボールなど資源ごみの大幅な回収増につながったわけだ。
 毎月地域の清掃をしているのは、綱島とたまプラーザ。まちの美化のほか会員の連帯感醸成や地域へのアピールという点で効果をあげているという。

事業系ごみについて(各会で販売)

商店会名

回収日

ごみ袋
協組伊勢佐木町商店街 毎週月水金深夜 20リットル20枚2100円、45リットル20枚4600円、70リットル20枚7400円(可燃、不燃区別なし)
綱島商店街連合会 毎日朝5時頃 45リットル不燃用10枚5000円、45リットル可燃用10枚2100円

■意識改革と商店街らしさ
 たまプラーザ商店街連合会の旭武光氏(たまプラーザ駅前通り商店会会長)は「駅周辺の清掃は、駅前通り商店会地域だけでも毎回60名ほど(商店会会員のほか地域の方も含む)が参加してくれていて定着してきたと実感できる」という。
 伊勢佐木町と綱島は、ノー包装や簡易包装などへ協力する消費者のため、金券として使えるポイントやエコバッグの進呈などしているが、両商店会とも「普及はいまいち。店から出す包装紙や袋はあまり減っていない。まだまだ商店、消費者双方の意識改革が必要」という。
 また、伊勢佐木町のエコ担当役員、西沢利幸氏は「商店街らしいエコ活動でないとなかなか続かない。いかに各店がエコを販促、イメージアップにつなげるかが課題」という。

 個店での取り組み

 立川市の羽衣振組では、この10月、東京都が実施する「環境にやさしい買い物キャンペーン」に有志が以下の内容で参加することにしている。
 また、同商店街では、「ふとん打ち直し、そば屋の繰り返し使えるどんぶり使用、洋服の直し(体型が変わった場合などに)など本業での当然と思われることもよく考えれば環境にやさしいこと」としてアピールしていくという。
・紳士服仕立て屋 洋服の箱回収など
・薬局 期間中、買い物袋持参に商店街のスタンプ数倍サービス
・化粧品店 資生堂化粧品の空きびんや買い物袋持参にスタンプ
・クリーニング店 袋持参やハンガー持参にスタンプ
・ふとん店 袋持参にスタンプ。シーツ配達の際、その包装資材は自店に持ち帰る
・そば屋 箸持参にスタンプ
・お茶屋 茶缶・買い物袋・茶殻・牛乳パック持参にスタンプサービス、エコドール(知り合いが製作した茶殻をつめた人形)販売。
 以上の多くは各店が日頃実施していることだが、期間中は商店街スタンプの特別サービスなどをする。
 また、お茶屋では最近、問屋さんが持ってくる包装材の一部は持ち帰ってもらうことにしたという。問屋さんに繰り返し使える包装材を使ってほしいのと、自店の事業系ごみ節減にもなるためだ。

【参考ホームページ】
cGコどこナビ(環境取り組み店の紹介など)http://machi.goo.ne.jp/eco/search/index_ex.asp
s結椏s北区リサイクラー(個店でできること)http://www8.ocn.ne.jp/~ecokeiei/koten.htm

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